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進化の法則に則った生き方をしよう

梅雨空を眺めながら、庭の木々が風に揺れているのを見ていると、風の心が陰鬱(いんうつ)で哀(かな)しげに感じられてくる。これが夏空の照りつける太陽の下では、さわやかな明るい心になって風の心も生き生きとしてくる。

人の心が風にうつるのか、風の心が人にうつるのか、人間の生活の中で、風の心の動きはかなりその影響力をもっている。その最もはっきりしているのは、台風である。

台風は、人間に恐怖を与え、人の生活を破壊する。人間の心をより進化させようとする、大自然のみ心の一役を買って、風は働きつづける。しかし、人の生活を破壊するのは、風にとっては悲しいことなのである。

神のみ心は、常に人類の進化を願って働かれる。進化をつづけぬ限り、人類はいつかその存在価値を失ってしまうのである。人類は今、最大の進化の道を歩んでいる。

進化が大きければ大きい程、その苦しみは甚(はなは)だしい。進化以前の過去の段階にあった、様々な癖や生活様式は、すべて消し去り、捨て去らなければならない。その苦悩の中に今、人類は立たされている。

その消えてゆく姿が人類の表面に現われてきて、心ある人々が心を痛め、眉をしかめねばいられぬような、醜い愚かな事柄が世界中に充ちているのである。

地震も台風もあらゆる自然の現象は、すべて過去の未進化の人類の悪癖を消滅させ、浄め去るために、神々のみ心によってなされている現象なのである。

そうした天災を逃れたいと思うならば、人類はそのような天変地異の起こらぬ前に、自己の心を進化の法則に合わせておくべきなのである。

進化の法則とは、釈尊や老子やキリストがそれぞれの言葉は違えど、説きさとされているように、神のみ心と一つになることである。

大宇宙、大自然すべてとの調和の心を、人間の心の第一とすべきである。

雨にも、風にも、神々の人類進化のためのみ心が働いているのである。

雨降らば雨の心になりぬべし風吹かば風に融けて生くべし

私は世界平和の祈りの中で、すべてとの大調和を願っているのである。

五井昌久著『失望のない人生』より