スポンサーリンク

役行者はかく語る②

(つづき)だから、「あそこで修行しました」なんて偉そうなことを言ってくる人もありますが、子供のような、赤ん坊のような修行をして何を言ってるかと、私は思うんです。

それほど修行がいるわけなんです。

ところが皆さんもやっぱり過去世においては、大変な修行をして来てるんですよ。

だから今は全託行だけでいい。

過去世からの修行の最後の磨きをかけるための全託行になって、すべて神さまのみ心に投げ出せる、ということになるわけなんです。(中略)

今は神さまのみ心に、「世界人類が平和でありますように」と、すべてを投げ出してしまう。

「世界人類が平和でありますように」というときにはもう、自分というものは世界人類の平和の中に入っている。

世界人類の平和というものは、神さまのみ心なんだから、神さまのみ心の中に入っているわけなのです。

”消えてゆく姿で世界平和の祈り”というのはそこなんだ。

「自分も無い、人も無い、すべて無いんだ。みんな消えてゆく姿なんだ。あるものは、神さまの平和のみ心だけなんだ。世界人類が平和でありますように」って、入ってゆくんですよ。

それが全託なのです。

変に修行したい人があるんですよ。

しかし、したきゃあしたってかまわない。

ただ、そんなものは何にもならない、ということなんです。(つづく)

五井昌久著『空即是色―般若心経の世界』より