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役行者はかく語る⑦(完)

(つづき)自分がこうしなくちゃ、自分で、自分が……、とそんなことを言ってたら、ろくなことはない。

それは、それだけ神さまから離れているとき。

「神さま、どうかみ心のままになさしめたまえ」と思ってるときには、神さまはやりやすいんです。

それで神さまが修行させたほうがよければ、どこかへ行って修行させるかもしれない。

病気をさせたほうがいいときは、病気をさせるかもしれない。

それは向こうさんの勝手です。

しかしやがてはその人を、充分意義ある仕事に使おうと思ってそうするわけです。

それは神さまが知っていらっしゃるんだ。

だから神さまに任せればいい。

これは私がさんざん経験してきたんだし、いろんな人を指導して、そうやったら立派になっているのですよ。

自分が自分がと思うときには、こうしなきゃと思ったときには、祈りの中に入れてしまいなさい。

それでもスーッと出てきてやりたかったらやればいい。

やったことが失敗であろうと成功であろうと、そんなことは問題じゃないんです。

ただ自分が一生懸命神さまを信じて、神さまのみ心の中に入りながら、世界平和の祈りをしながらやってゆけば、それが失敗であっても成功であっても、失敗はやがて大きな成功になるし、成功は次の成功を生むでしょう。

とにかく、自分のやらなきゃならない大きな天命を果たさせてくれるのです。

100%全託すれば、100%自分の天命が完うされる。

90%なら90%、80なら80、どれだけ任せたか、全託の度合いによって、天命が大きくも小さくも果たされてゆくのです。(おわり)

五井昌久著『空即是色―般若心経の世界』より