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役行者はかく語る④

(つづき)心の修行ということが最大の修行です。

体の修行など二の次、三の次です。

心の修行が出来ると、体が自然に修行してゆくわけです。

力道山のことを言うんじゃないけれども、(中略)あれだけ鍛えられた人が、短刀で刺されたくらいで死んじゃうでしょう。

いかにいかに人間が肉体を鍛え鍛えたとて、たいしたことはないということがわかるでしょう。

何が一番大事かというと、心を鍛える、要するに、想いを鍛える。

想いが乱れない、恐怖が起こらない、弱らない、そういう想いにしなければならない。

何があっても心が平然として澄み切っていられるような、そういう人間になることが一番大切ですよ。

それは、永遠の生命を得たことです。

心が何事があっても乱れないということは、永遠の生命を得ることなんです。

肉体はいくら鍛えたって、死んでしまえばそれまで。

あとは心の在り方です。

高くも行けば低くも行く。

心が全部決定する。

心というのは想いのことです。

想いが乱れなきゃ心が平静なんです。

心と想いというのは本当は別のもので、心の上を想いが往ったり来たり走ってるんだからね。

心というものは神さまの光そのもの、生命そのものです。

想いが往ったり来たり走らないで、ピタッと本心の中に入ってしまえば、スカーッと光り輝いちゃうわけです。

そういう人間になることが一番大事なことです。(つづく)

五井昌久著『空即是色―般若心経の世界』より