物が増えたり、金が儲かったり、地位が上がったりすることだけに幸福感を感じ、喜びを感じ、感謝の心を起こしたりしておりますと、物や金が減り、地位が下がったりする時になりますと、不満の想い、不足の想い、恨みの想い等が起こって参り、不幸感に陥るのですが、常にそうした事物の変化や環境の変化だけに心を把われず、生命(いのち)の輝き、生命が生きていること、生命を生かしきって生きることに重点を置いている人は、事物の変化や、環境の変化だけで、不幸感を味わうことはなくなってくるのです。
真実の感謝は、そのような心構えや、そうした心の訓練によって、常にもちつづけることが出来るのです。
五井昌久著『白光への道』より