いつもいいますが、人間というものは、簡単にいえば二つになっているのです。
なんの誰某という自分と、本心本体、神そのものである自分という、二つです。
どちらが本ものであるかというと、神様である自分が本ものです。
よく、人間は神様になれっこないとか、人間だから仕方がない、といいます。
しかし本当の人間というものは、神人というものは、神と全く一つなんです。
ということは、この世の中に現われているものの中で、神様がお創りにならないものはないんです。
本当のものは全部神様がお創りになった。
それに神様の生命エネルギーを人間は持っていますから、そのエネルギーを使って人間が作ったものがある。それは何かというと業なのです。
神様の中には、悪いものは一つもあるわけはない。神様は全体で、完全円満、大調和です。人間はその神様の分生命だから、調和そのままなんですよ。
ところが実は、この世の中というものは、悪はあるし、不幸災難もあるわけです。どうしてそうなっちゃったのか。
それは人間が肉体に入ってきてから、神様の力を忘れてしまったのです。自分の本体を忘れてしまったのです。
そして自分は肉体の人間だ、五尺何寸の人間だ、私とあなたは違う、AとBとは違うというふうに、みんな別々に考えているわけです。
今でもそうでしょ。みんないのちが通い合っていることがわかりません。
形が別だから、あの人と私とは違うと思っています。ところが底を探りますと、みんな一ついのちに結ばれています。
そこであらゆる宗教は、みんな人間は兄弟姉妹だと、みんな一ついのちに帰一するわけです。
みんな神様のみ心の中にあるわけです。
そういうことがわからないとだめなんです。(後略)
五井昌久著『内なる自分を開く―本心開発メソッド』