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真理に至る梯子の教え

宗教が中々この世を開いていかなかった
一番の原因は何かというと、
天の理想をあまりにも
地の現実を無視して
現わそうとしたことなのです。

天の理想を
地の現実に
そのまま降ろしたのが、
空になれとか、
無為にしてなせ
とかの言葉なのです。

出来ないことを
出来るようにするというのは、
これは無理なことで、
その地の現実を無視しては、
宗教が成り立たないわけです。

誰でもが出来る
という教えをしなくては、
いつまで経っても
人類は空になれないのです。

人間は神の分生命であるという
真理を現実に現わすのに、
どうしても人間を
一段一段昇らせる
梯子が必要なわけです。

それが消えてゆく姿なのです。

五井先生のお話し『白光誌1967年10月号』より