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宇宙人(後半)

(つづき)また宇宙人の女性の一人は、「私たちは、愛とは神の心から万物に、特に人間を通じてあらゆるものに万遍なく放射された光だと理解しています。地球上のゆがんだ状態は、地球人が自分自身をも父なる神をも理解していないからです。この無知のために自己の行為を少しも理解しないで、戦争を引き起こし、他国民に対する残忍な殺人を犯すのです。

いずれの問題にも解決策を見いださず、自分たちの手で互いに破壊するばかりでなく、さらに苦悩を産み出しつつある状態に、どうして地球人が眼ざめようとしないのか、私たち宇宙人にはよくわかりません」といっている。

もっとも私が感動させられたのは、男性の一人の「好戦的な地球人とでも、彼我の生命の対抗という事態に至る場合は、兄弟(地球人)を殺すより先に私たちのほうが自滅します」という言葉である。

私はこの言葉にはまったく共感し感動した。なぜならば、地球人よりはるかに智慧に勝り、すべての力で勝っている宇宙人でありながら、自分の生命の兄弟を、いかなる場合にも“殺める”ということができぬ、殺めるという気持ちが起こらぬ、自分が滅びても他を殺めぬというのだから、その最高至高の大愛の心には、地球人の誰一人としても匹敵できぬであろう。

この著書を読んだ人の中でも、「なんだ空想的創作だ」という人も多数あると思うが、私は、他の遊星の人類の存在を信じているので、このような事実があったことを肯定する立場に立つものである。

私は地球人類が、肉体人間の力だけでは滅亡せざるを得ないと思っている。今こそ肉体以外の力、神霊の援助による救済以外にこの地球は絶対に救えぬと思って、神界との約束事でもある『世界平和の祈り』の普及に努めているのである。

世界平和の祈りの中にこそ、天父が地球救済の光明(力)を地球界に投げかけてくることができるのである。

その力は、あるいはこの著書の中にあるような、宇宙人の力によるかも知れない。

地球世界の暴力を超え得る力は、同じ地球世界の防衛力を超えた、神霊の光明力よりほかにないことを、私は強く確信している。

だから心ある人々は、救世の大光明をこの地上界にさわりなく働かしめる、真実の祈りをしなければならぬと私は強調するのである。(おわり)

五井昌久著『神への郷愁』より