(つづき)人間は肉体にのみにあらず、肉体のうちに生命となって活動している何かがある、と認識して、そうした方向に生きている人。それは、天国への階段を一歩踏み出した人である。
人間は霊が主であり、肉体が従である、という思いに入った人。これは同じ階段を二歩三歩昇った人びとである。
人間は神によって創られた者であって、あくまで神の下僕であると、ことごとに神の審判を恐れつつ、しかし行いを謹んで神にすがっている人びと。この人びとは、真の人間観から未だ遠いが、他人を傷つけぬ場合は、天国の階段を昇り得る。
人間は神によって創られた披造者であるが、神は愛であるから、愛の行いを積極的にしていれば、決して自己に不幸は来ないのである、と確信している人。この人も天国の階段を昇っている。
神のことも、霊のことも、特別に考えぬが、ただひたすら、素直な明るい気持ちで愛他行をしている人。この人も天国に昇り得る。
肉体界以外のことは知らないが、素直な明るい気持ちで愛他行ができ、しかも神仏の存在を信じ、あわせて、この地上世界が必ず善くなることを信じて生活している人。この人は天国の住者である。(つづく)
五井昌久著『神と人間―安心立命への道しるべ』より