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上手な叱り方 ~叱ると怒るは別感情であることを自覚する為に~

子供を叱る場合でも感情的に叱ってはいけない。

私はいつも言うんだ。心臓がバクバクするような叱り方をしてはいけない。

いくら大きな声で怒鳴りつけてもいいから、心臓が平静でなけりゃだめですよ。

子供を叱るんでも、夫を叱るんでも、妻を叱るんでも(笑)、心臓がバクバクするような叱り方をしたらだめなんです。悪影響を及ぼすんです。

たしなめなければならない場合もあります。子供でも夫でも妻でも、注意しなけりゃならないことがあるんだから、注意することは結構だけれども、心臓をバクバクさせるような注意の仕方をすれば、それは注意でなくて、自分の感情で怒っているんだから、業に負けているんだから、自分の心臓を痛め、胃腸を痛め、それで相手の心臓を害するんです。

そういうことをしてはバカバカしいでしょう。だから常に自分というものを客観的にみて、神さまの側に入ってみて、業想念の動きをみていればいいのです。

ムラムラと来た。出てきたな、いつ消えるだろう、そう思えれば、ムラムラは消えちゃう。

だからいつでも、自分の感情というものと、自分の理性、知性というものが別個になっていて、知性が奥のほうにある、感情が前にある。

これは怒ろうと脅(おび)えようと、何しようと、奥のほうからみていて、ああ、それは消えてゆく姿、勝手に消えてゆくな、と言うと一遍出て、あとしばらく出ません。

またやがて他の違うものが出てくる。しかしそれも、ああ、消えてゆく姿だな、と思うと、又、出て消えていってしまう。

だんだん喉元まで来ると、フーッと消えちゃいますよ。外に現われないでね。

それが達人になると、喉元に来ない前にヒューッと消えますよ。そういうもんなんですよ。

五井昌久著『素直な心-五井昌久講話集2』より