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人類愛の祈り

季節は今年も春を迎え夏を迎え地球は花や緑で飾られる
然(しか)し人類の運命の花はまだ開こうとはしない

花の新芽は心の中で咲き咲かる日を待ちつづけているのだけれど
外は堅い冬の扉で閉ざされ
業(カルマ)の凍雲(いてぐも)が天の光を蔽(おお)って
人類の闇は薄れない

こんな冬の闇が人類世界にいつまでもつづいていては
世界中の人々の心も体も凍えきってしまう
誰かが一日も早く天の光を人類の心に充分に与えなければいけない

その誰かの一人が貴方であり貴女である
貴方の心に人類愛の灯がともり
貴女の心に世界平和の祈りが唱えられる時
冬の闇はそれだけとけ
天の光はそれだけ地上にふりそそぐ

世界人類が平和でありますように……・
その一行の祈り言の中には人類の花開く神秘の光がある
そを信ずる者は幸なるかな
神のみ心の扉は温かく開かれ
人類等しく仰ぎみる日を待ち望んでいるのだ

五井昌久著『平和讃-詩集』より