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真理を離れた思考は夢幻②

(つづき)本当は人間は、地上に生きているわけではないのです。地上でこうやって生きている、肉体の中に入って、いいだの悪いだの、不幸だの幸福だのと言っている姿は、本当は過去の波が映って来ているだけなのです。

もうフィルムに撮って、今、映写機でスクリーンに映しているところなのです。それが病気だったり、不幸だったり、あのヤロウ妬ましい、恨めしいという姿なのです。

今スクリーンに映し出されているけれど、それは今の姿ではなくして、過去の誤った想い、自分が神さまから来ているんだと思わなかった想い、自分は神さまの分け命であるという真理がわからなかった、過去の思いが現われているのです。

ですから、今たとえどんな大病をしていようとも、どんな貧乏をしていようとも、どんな不幸な姿でいようとも、それはあなた方の病気でもなければ、あなた方の貧乏でもなければ、あなた方の不幸でもないんですよ。これがわからないといけない。

これは般若心経の極意なのです。

それはどういうことかというと、”今のあなたのものではない”ということです。

昔の、神様から離れていたときの間違った想いが、波のように現われているだけなのです。

今のあなた方は世界平和の祈りをしている。”世界人類が平和でありますように”という、神様のみ心の中に入っているわけです。

神さまのみ心の中に入っている想いというのは、病んでいる想いでもなければ、不幸な想いでもなければ、貧乏な想いでもないのです。

今日はここのところを十分に話しましょう。(つづく)

五井昌久著『空即是色―般若心経の世界』より