(前略)
宇宙の法則として、
犯した罪は悪として、
必ず自分に還ってくるのです。それを人間の甘い感情で、その悪を
かばってしまおうとする癖が
日本人にはあるんです。悪事をされたその当座は非常に憎むが、
しばらく時が経ってしまうと
その人間を、
「あれはその時の出来心なのだから、
重い罪にしてはかわいそうだ」と、
その人間の罪を軽くしたがるのです。そして、それが世論になったりして、
罪を軽くしてしまうのです。
それは実に誤ったことなのです。犯した罪はすみやかに償ったほうが、
その人のためにもなり、
社会秩序を乱さないためにもよく、
国家の尊厳を維持するためにも
よいのです。(中略)ですから悪をかばったり、
許したりすることは、
愛にはならないのです。誤ったことはすべて現われて、
そして消えなければ
きれいになりません。ごまかして隠していては、
霊的に枯れてしまうのです。日本人は一体に
自分の悪を隠すとともに、
人の悪をも隠してしまう
性質があります。それを善事と
誤り思っているんです。(後略)
五井昌久著『生命光り輝け-五井昌久講話集1』より