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魂と霊、そして神

(前略)

今日までの宗教者は、霊と魂とを一つのものの別名として、いずれも同じ意味で使っていますので、霊を理解する場合に非常に誤った考え方を一般の人々にさせているようであります。

例えて云えば、幽霊などという言葉がありますが、実は幽霊などというものはないのでありまして、これは幽魂、あるいは幽想念というべきなのであります。

幽霊などという言葉を使っていますと、神と同意義であるべき霊という言葉が、何か迷った、低級ないやらしい、恐ろしい感じになって、霊の話などは嫌だと、一口に霊への関心を絶ってしまう人々をつくってしまっています。

霊とはあくまで神の別名でありまして、大霊あるいは宇宙霊と云えば、大神さまのことであり、直霊と云えば、人間の根源の光であり、分霊と云えば、肉体人間の基の姿ということになるのでありまして、これらの霊には、迷もなければ把われもない、自由自在の体であり、心なのであります。

そして、分霊(光)に想念が加わって魂が生まれ、魂から魄(ぱく)要素(※肉体要素)がつくられ、分霊魂魄となって、肉体人間が出来上がってくるので、霊と魂を一つに説明していると、人間の真実を説明するのに、往々誤ちを冒すことになるのです。

(後略)

五井昌久著『宗教問答』より