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実在界・霊界・幽界・肉体界について①

(前略)ある一部の宗教家は、人間業生説、因縁説を説き、人間は常に因縁因果の世界から抜け切れぬとしているが、私はここではっきりと、人間は本来業生ではないと言い切りたい。

業生である以上、人間はいつ迄も輪廻転生しなければならぬし、苦楽混合、いな苦多く、楽少なき生活をつづけなければならぬことになり、一向に救われぬことになってしまう。

これでは人間として生まれてきたことがまことに不幸であり、神とか仏とかの存在価値がなくなってしまう。

現象あらわれの世界は確かに因縁因果で動いているようだが、その底を流れている強い神への憧れ、仏への思慕を思うとき、人間の本性の中に明るい光明をみないわけにはいかない。

私は人間の霊性を深く追求して、人間と神との一体を観じ得た。

即ち人間は神の子であり、神そのものでさえあるということである。

私が霊覚で悟り得た人間の発生について説いてみたいと思う。(つづく)

五井昌久著『神と人間』より