(つづき)自分がこうしなくちゃ、自分で、自分が……、とそんなことを言ってたら、ろくなことはない。
それは、それだけ神さまから離れているとき。
「神さま、どうかみ心のままになさしめたまえ」と思ってるときには、神さまはやりやすいんです。
それで神さまが修行させたほうがよければ、どこかへ行って修行させるかもしれない。
病気をさせたほうがいいときは、病気をさせるかもしれない。
それは向こうさんの勝手です。
しかしやがてはその人を、充分意義ある仕事に使おうと思ってそうするわけです。
それは神さまが知っていらっしゃるんだ。
だから神さまに任せればいい。
これは私がさんざん経験してきたんだし、いろんな人を指導して、そうやったら立派になっているのですよ。
自分が自分がと思うときには、こうしなきゃと思ったときには、祈りの中に入れてしまいなさい。
それでもスーッと出てきてやりたかったらやればいい。
やったことが失敗であろうと成功であろうと、そんなことは問題じゃないんです。
ただ自分が一生懸命神さまを信じて、神さまのみ心の中に入りながら、世界平和の祈りをしながらやってゆけば、それが失敗であっても成功であっても、失敗はやがて大きな成功になるし、成功は次の成功を生むでしょう。
とにかく、自分のやらなきゃならない大きな天命を果たさせてくれるのです。
100%全託すれば、100%自分の天命が完うされる。
90%なら90%、80なら80、どれだけ任せたか、全託の度合いによって、天命が大きくも小さくも果たされてゆくのです。(おわり)
五井昌久著『空即是色―般若心経の世界』より