言が神そのものであり、光そのものであり、すべてを創り出したひびきそのものでありますから、この言の中に入り込んでしまえばすべての力が人間にも備わるわけなので、そうすればよいわけです。
古来からの聖者はみな、その道を目指して精進して、やがてその根元の力と一つになって、衆生済度の歩みをはじめられたわけです。
実際にこの宇宙は、神のみ心、ひびきそのもので出来ているのです。
ひびきを言(ことば)というのですが、このひびきはあらゆる創造能力を持った、叡智そのもののひびきであり、大調和そのもののひびきなのです。
そのひびき(律動、波動)が根源になって、いろいろな階層の世界が出来ているので、神霊の世界は光明波動そのものでよいのですけれど、霊界から幽界、肉体界とその働きを現わしてゆきますと、次第に波動の働きが粗く、緩慢になって、光明のひびきそのものが、想念波動となり、想念波動から、肉体的行為となって、物質の地球世界が出来上がっているわけです。
三千大千世界と釈尊が言っているように、本源の言のひびきによって出来上がった世界は無限に近くあるのです。この物質の地球世界は、その下層の世界の一つとして存在しているので、地球は次第に進化して、本源の世界に近づいてゆかねばならぬのです。
そのための一つの大きな進化の時がもう始まっているのであります。
この時代は、物質文明文化だけで進んできた今日までの歴史を、はっきり書き換えるような、神人一如の世界となってくるのです。ただ単なる精神時代というのではなく、神霊の世界と人類世界との綿密な提携によって、地球を大きく進化させるわけなのです。
五井昌久著『霊的存在としての人間』より