慈愛は老婆の脚をさすり
乙女の心の傷をふさぎ
貧しい人々の生活に
明るい希望を抱かせた
慈愛の笑顔は
或る時は仏陀に
或る日にはキリストであった
慈愛は高らかに拍手を打ち
邪悪の想念を打ち浄め
人々の勇気を鼓舞し
生命の道に
光明をかゝかげて立つた
慈愛は世界平和達成の為に
天界から降りそゝぐ大光明のひゞき
地球霊王の協力の光であつた
慈愛が結んだ様々な印形から
光の律動が人々の魂にむかつて放射され
人々の苦悩が日毎に安らいでいつた
慈愛は人間の形を借りて
形の中から地球世界に働きかけてはいるが
その真実の姿は
誰れの目にも
誰れの手にも
見えもせず
把えることも出来ないものであつた
人々よ
あなた方は慈愛にしつかりつながつて
世界平和の祈りを真剣にせねばならない
慈愛は地球世界に
真実の平和を
必ず達成してゆくであろうから
五井昌久著『いのり―詩集』より