自分の立場というものだけを考えているのは、一番低い立場なんです。いいですか、耳をよくほじくって聞いてください。
自分のことだけを考えているのが一番貧弱なんです。子供や妻のことを考えるのがその次。
それから隣りの人や向かいの人を考えるのは又いい。
もっと大きくなると、日本のことや世界人類のことを考えてくるんですね。だんだん魂が開いてくると、だんだん明かりがさしてくると、人のことが心配になってくる。
日本のことが心配になってくる。
世界のことが心配になってくる。心配になるのは自分のことだけだ、っていうのが大体なんですね。始めは、私の病気が、私の不幸が、とこうやって来る。
そうすると私が、「ああ、ようござんす。私が引き受けます」と簡単に言うでしょ。
ポンポンと拍手を打ちます。
光が入りますからいい気持ちになる。そうすると何が効くもんか、偉いんだか偉くないんだかわからないけれども、と思いながらやってくる。
やってくるうちに、だんだん自分の業がきれいになってくると、光がスーッとまっすぐ入ってくる。その光の入り方が、だんだん太くなってくる。そうすると本心が開いてきて、頭でわかるんじゃなくて、心でわかる。
頭でわかるのと心でわかるのと、二通りあるんです。
大体、女性はカンが発達しているんです。
だから直感的にわかってくる。
わかったあと、先生有難うございますって、やってくるんです。うれしくて仕方ないっていうのが、一ヶ月二ヶ月たつと、「このごろちっともうれしくありません、うちの子がこうで夫がこうで」って、又やってくるんです。
波なんです。
高くなったり低くなったりする。
だんだん波の幅がなくなってくると、文句を言わなくなってきます。男性はわかるのが遅い。理屈っぽいんです。とくと考えてみるのですね。考えながらやってくるんですよ。
考えた末にわかると、今度はうれしくなって離れません。
理屈っぽいけれど、わかるとよくなる。頭が先にわかって、心がわかってもいいし、心が先にわかって、後で頭で理解してもよろしい。
どっちでもようございます。けれど、人間というものは神の子でもって、本当はけがれのない、汚れのない、浄らかな、自由自在なものなのだということだけは、うんと、潜在意識に叩き込んでおくといいですね。
五井昌久著『高級霊(ハイスピリツト)は上機嫌』より