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天と地をつなぐ者とは(前半)

天と地をつなぐ糸目のひとすじとならむ願いに命もやしつという歌を私は詠みました。天の理想を地の現実につないでしまわないと、この世の中はよくならない。理想は素晴しいものを持っていても、みんな立派なことを言うけれども、実際この世の中を見たら、迷いに迷っている。闘争はあるし、泥棒はあるし、貧乏はあるし、病気はある。「こんな間違った世の中があるのに、理想だけいくら振り廻したってだめだ。」と私は思ったんです。

自分が天と地をつなぐ、理想を現実にもってくる糸目の役目、そのときはまだ器になると思わなかった、わからなかった。それで糸目だと思った。ただ一本の糸目でいいから、光の伝導体にして地上に流し込む、そういう役目をしたいと思ったのです。それで今言った歌を詠んだわけですね。それで天と地をつなぐ糸目の一筋となった。

その糸目がだんだん広がって太くなって、光が多くなって柱になっちゃったんですね。天と地をつなぐ柱になった。それで自叙伝には『天と地をつなぐ者』という題がついたのです。これは自然につくんですね。天と地をつなぐ者というのは、見えない体をして人のそばへ行き、知らないうちに業をとってやる、ということをする。私は業のドブ掃除みたいなんですよ。クリーニング屋で掃除夫です。(つづく)

五井昌久著『私に荷物を預けなさい (聖ヶ丘講話)