(つづき)さんざんたずねたあげく、私のやったことは何かというと、”己が幸願う想いも朝夕の世界平和の祈り言の中”という歌にもありますように、自分が本当に幸せになりたいと思ったら、世界人類の幸せを願うのが一番いいんだ。
世界人類の幸せの中には自分も入っているんですから、自分の幸せを願うなら世界人類の幸せを先に祈りなさい。
そうすると、人のために尽くしたわけですから、世界人類の平和のために自分の想いをささげたわけだから、その想いは還ってくるのだ。
だから、”与えよさらば与えられん”で、先に自分から与えて、”世界人類が平和でありますように”と願うと、自分のほうに還ってくる。
還ってくるものは何かというと、それは借金じゃなくて、自分が働いた報酬として、病気も治り、貧乏も直ってくるわけです。
まず与える。与えるといっても、お金を誰に与えていいかわからない。
だから、祈り心を与えなさい。世界人類に祈り心の奉仕をしなさい。
”世界人類が平和でありますように”と祈ったときには、自分がそれだけ奉仕したことになる。
自分がそれだけ働いたことになる。天の蔵に宝を積んだことになる。やがてその宝が自分に必ず還って来る。(つづく)
五井昌久著『空即是色―般若心経の世界』より