(前略)いのちが真っ直ぐに、いのちそのままに動いていれば、心臓も丈夫なら、肺臓も丈夫、頭も丈夫なわけです。(中略)
少しでもいのちが損なわれると病気になったり、不幸が出てくる。それは信仰、無信仰、唯心論とか唯神論を度外視して、誰にでもわかることです。
医学上でもそうなんですから、いのちを健やかに自由自在に生かしてゆくためには、いのちの自由自在性を阻害するもの、邪魔するものを除外すればいいわけです。
いのちがあるがままに生きているのを邪魔すると、人間の自由自在性が奪われて、いのちは不自由になり、病気になったり、不幸になったりする。(中略)
本当の自由というのは、肉体の自由じゃなくて、いのちの自由なのです。
肉体が縛られていても、いのちが自然に自由に動いているという、そういう形へ持ってゆくのが宗教なのです。(後略)
五井昌久著『空即是色―般若心経の世界』より