(前略)要するに一番の愛は何かというと、現世的に不幸がないほうがいいとか、苦しまないほうがいいとかいう愛情はもちろん必要だけれども、それ以上にもっともっと必要なのは、大神からつながっている永遠の生命、本当の自分というものを知らせることなんです。
本当の自分というのはどういうものなのか、を知らせることが一番の愛です。
子どもに知らせるには、親が知らなければならない。
人に知らせるには、自分が知らなければならない。
それには、理屈でいってもだめだし、頭の中で知ってもだめだ。心の底から「ああ、そうなんだ」と、わからなければならない。
「人間は神の子だ」と聞かされます。「ああ、そうかなあ」と頭では思うけれども、実際には思わないんだな。
行いと頭がチグハグになっている。
よく宗教学の知識が頭に一杯つまっていて、何でも知っている人があります。
ところが行いがちっともできない人がある。
要するに、「神は大光明であり、完全円満であって光り輝いているもんだ」と頭でわかります。
ところが行いとしては、いつも暗い顔をしている人もある。(つづく)
五井昌久著『永遠のいのち―本当の自分に出合う 聖ケ丘講話 (聖ヶ丘講話)』より