(つづき)この直霊が動き出でて各種の光の波を出だし、霊界を創り、各分霊となり、各分霊が直霊より分けられたる光(心)により創造力を駆使して幽界を創り、肉体界を創造して、ある時は幽体という衣だけ着て幽界に生活し、ある時は幽体をつけたうえに、肉体という衣をつけて、肉体界の創造活動を営んだ。
霊体が中身とすれば、幽体はシャツであり、肉体は上衣である。
この三つの体は、いずれも光の波動でできているのであるが、肉体はその光の波が非常に粗く、流れる速度も遅く、その波は重い。分霊は精妙な光であり、本来自由自在に動きうる波動をもっているのであるが、肉体界に出入りするうち、いつとはなく肉体の鈍い動きに同化されてきて、しだいにその精妙さが失われてきた。
始め、肉体界を創り、そこに神の創造を形づけようとして活動をつづけていた各分霊は、さながら繭をつくって、その中に閉じ込められた蛹の如き状態に陥り、しだいにその光波が濁っていったのである。
それはちょうど、流れの速い川は澄み、流れの遅い川は濁っているのと、同じ原理である。(つづく)
五井昌久著『神と人間』より