皆さんも何にもなくなっちゃえばいいですよ。ああじゃない、こうじゃない、と思う想いを、世界平和の祈りの中に入れちゃうんです。あるいは五井先生の中に入れちゃうんです。
そうすると、なんにもないまでにはならなくても、それに近くなりますよ。そうすると何ものもその人を損なうことは出来ない。
なんにも無い、ということはどういうことかというと、宇宙と一つだということ。なんにも想わない、ということは、宇宙大になったということです。(中略)
おそらく一番取りにくいのは不安の想いです。短気などは割り方取れるんです。妬みもなかなか取れない。ご婦人方にはね。不安恐怖の想いはなかなか取れない。
やっぱり恐怖をなくすには、世界平和の祈りの中へ入ってゆくこと。それでも足りなければ五井先生の中へ入ってゆく。入ってゆくのが一番です。(中略)
恐怖心がなくなったら、ほとんど悟りに近いです。ところが森の石松みたいのがいますからね。(笑)それは悟っているわけじゃない。(中略)「さあ殺せ」ってやるでしょう、命がいらないんですね。悟りとは違って、前世の因縁で、命がいらないような気になっているんですね。ああいうのは度胸というのですね。(中略)
しかしあれでもまだ、度胸のない人よりいいですよ。年中怖がって、グラグラすると地震じゃないか、火事じゃないか。(笑)天井でねずみがガタガタっていうと、ああ泥棒じゃないか、それでは朝から晩まで怖がっていなければならないでしょう。それなら石松や鬼吉のほうがまだいい。だから「怖い」という想いをなくすことは必要ですね。
それから妬みの想い、怒りもそうだな。なくす手段は棚上げしちゃうんです。大体もう十二月だから、そろばんをはじいて店卸(たなおろ)しして、今月一杯で棚上げしちゃうんです。五井先生へ棚上げしちゃえばいい。みんな預かってあげますから。
そしてきれいに洗って、光にしてお返ししますから。光の利息をつけてお返しします。
想いが自分を安心させない。不安な想いなんかがあると、縁にふれて出てくるんです。今、怒りも何にもないのに、縁にふれて出てくるんです。今、妬みがないのに、縁にふれて出てくる。
縁にふれて出てきちゃ困るんですよ。出て来ないようにする。さらに無くさなければならない。
自分を不幸にしているのは何かというと、他人が不幸にしているわけではなく、社会が不幸にしているわけでなく、人類が不幸にしているわけでもない。自分自身が不幸にしているわけです。(つづく)
五井昌久著『私に荷物を預けなさい (聖ヶ丘講話)』より