「浄まった魂とはどういうのでしょうか」ときいた人がいた。五井先生はこうお答えになった。
「はたから見れば明るく無邪気で、自然に人のためにいいことができるような人。
自分側からみるならば、いつもスッキリとしている、把われがないという状態ですね。
気取ったり、偉そうに見せかけるのは、業がそれだけ出ていることです。
一生懸命生きていればよい。人からなんといわれようと、あまり気にしないで、注意されたら、ああそうですか、ときけばいい。
丸山昭宏(美輪明宏)だかがいいことをいっているね。『本当の美人というのは、そばに別の美人がきて、人がいくらほめようと、ちっとも気にしない人。中美人というのは、たえず競争心をもっていて、他の人と自分をくらべ、他の人が美人といわれると張り合う』
それと同じように、本当に偉い人はスーッと澄んでいる。あいつより俺のほうが……・とくらべているようでは、まだまだ本ものではないね。」
高橋英雄編著『続・如是我聞―五井先生の言葉』より