よくよく考えてみてください。私たち人類は、何一つとして自分自身で創ったものはありません。如何にも人類が創ったようにみえましょうとも、その源の素材は神からきたものなのであります。
まず人間の肉体がそうであり、肉体を生かしてくれている様々な元素もそうであります。人間には何一つ私(し)するものはないのです。
この肉身(にくのみ)のある間、神よりお預かりしているものばかりなのです。人間はそれを、じっと思ってみなければならないのです。
いまさら神への全託も、み心のままにもないのです。はじめからすべては神のものであることを改めて考えてみなければなりません。
この真理がはっきりとわかるかわからぬかに、地球人類の運命はかかっているのであります。
この真理を外(ほか)にして、如何なる思想も、どのような手段方法も世界を救うものとは成り得ません。
その真理を心身をもってわかり得る人を、一人でも多く、一日も早くつくりあげてゆくことによって、地球人類の悲惨事は、それだけ少なくすむのであります。
神のみ心の中に悪はありません。光明燦然たる真善美のひびきがあるだけなのです。そうしたみ心の中に改めて入りきってしまうこと、これだけが人類の運命を救い得る唯一の道なのであります。
五井昌久著『平和を呼ぶ声』より