(前略)
人間は初め、生まれた時から死ぬ終わりまで決まっているんです、本当は…。
決まってるんだけど、決まっている以下になるか、以上になるか、という差が出てくるのです。
ということは、丸なら丸で決まっている。三角に生きる人は、三角に決まっている。四角に生きる人は、四角に決まっているんだけれども、その大きさがあるんですよ。最大がこれで、最小がこれ、というのがあるんです。
いつも言うけれど、大工さんになるんでも、下っ端になるか、棟梁になるかは、その人の働きによって違うでしょ。
代議士になるけれど、大臣になる人と大臣になれない人とあります。
だから、代議士にならない運命をもっている人が、いくら頑張ったって代議士にならないだろうし、音楽家にならないものをもっている人が、いくら頑張っても音楽家にはなりませんね。
途中で嫌になってしまう。そういうふうに決まっている。その決まった中で生きてゆくわけです。
(後略)
五井昌久著『自由解脱への道―聖ケ丘講話』より