愛と真と美とそうした真実のものを完全に具有しておられる存在者を、私たちは神と呼ぶ。そして私たちは神なる大生命の子としてここに生存している。
であるから、私たちの生命の流れは、愛と真と美に輝いているわけで、醜いもの、汚れたもの、悪なるものはすべて、神のみ心を外れた想念所業によるのであって、それは人間の本心ではなく、群雲のように本心の前を通り過ぎて消え去ってゆくのである。
そして人間の本心本体は、太陽のごとく依然として輝きつづけているのである。
愛を善を真を美を追求しつづけてゆくものは、ついには神と一体になり、悪や醜や汚れに把われつづけてゆくものは滅びの門に至るのである。即ち肯定するものはそこに止り、否定するものは消えるのである。
私はあくまで神の完全性を肯定し、人間の本質が、真善美に輝いているものであることを肯定するものなのである。
五井昌久著『神への郷愁』より