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心を広げよう③(完)

(つづき)

家庭でも友達でも、仲が悪くなるのはどうしてかというと、自分の要求を通そうとするからです。

自分の想いを通してくれないと相手がシャクにさわる。

まして、愛し合っている場合、近しい場合には、想いが通らないと余計にシャクにさわってくる。

ですから、人間の心を一番乱すものは何かというと、自分の想いを通そうとすることなのです。

夫に、妻に、自分の想いを通そうとする。子供に通そうとする。それで通らないとイライラして、シャクにさわってくる。だから通そうなんて思わないことです。

自分には世界平和を祈るという重大な役目があるんだ、自分の心からの願いは、世界平和を成就することだし、それが本当の眼目なんだ、そう思えるようになると、夫や妻への要求も、子供への要求もなくなってくる。

そうすると大らかな、にこやかな妻になり、夫になり、父になり、母になる、ということになるんです。

そういう具合になると、うちの夫は、うちの妻はよくなったな、お父さん、お母さんはよくなったな、立派になったな、というふうになるんですよ。

そうすると今度は、そんなに強く要求しようとしなくても、向こうが要求を通してくれるのです。すべてそうです。

こちらの要求のみを、通そう通そうとしている間は、相手はいうことを聞いてくれません。

しかし、向こうの要求を聞いてやろうと思うと、そうすると、相手がこちらの要求を自然に聞いてくれるものなのです。

だからまず大きい心のほうが下座について、向こうの要求を通してやることです。そうすると、すべてがうまくゆくんです。(後略)

五井昌久著『天の心かく在り―日本の進むべき道 (聖ケ丘講話)』より