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神ということ(前半)

日本人の中には、神という言葉を極端に嫌ったり、馬鹿にしたりする人たちがいる。

この人たちは一体、神という言葉自体を嫌うのか、肉体人間以外の智慧や力や能力を無視しようとしているのか、どちらなのであろう?

喰わず嫌いという言葉があるが、この人たちは喰っていながら嫌っているという感じなのである。

何故かというと、神という言葉自体を嫌おうと、肉体人間以外の知恵や力や能力を否定しようと、事実は肉体人間以外の力によって養われていることは、誰でも知っていることである。

人間生存になくてはならぬ空気でも水でも土地でも、一体誰がこれを創り出したのかということである。

そういえば、この宇宙には、人間を生かしている数えきれぬほどの、各種の要素がある。

太陽や月も勿論だが、酸素や水素や炭素や窒素やカルシウム、ナトリウム、マグネシウムやリンやその他種々の元素がそれである。

こういう元素を、それは私の智慧によってできたのだ、というほどの馬鹿が人間の中にいるだろうか?

こういうどうにもならない事実を日常茶飯事にみせつけられていても、まだ肉体人間以外の智慧能力を否定しようとするなら、その人たちは底の知れない馬鹿者である、というより仕方がない。(つづく)

五井昌久著『神への郷愁』より