(前略)色即是空の色というのは、”もの”という意味です。
本当の姿と偽りの姿とが混ざっているものです。
その色が即是空で空になると、今度は空の中から空即是色となって、空は即ち光なり、色が本当の姿の現われだけになる。
神さまの智恵、本当の働きがスッと出てくるんですよ。
空になって自分の想いを全部投げ出した途端に、大神さまの光がそのまま入ってくるんです。
パッとひらめいてわかる場合もある。
今すぐひらめかなくたって、やがてだんだん現われて、いつの間にか、自然法爾に神のみ心のままに動いている自分になるかも知れない。
そこで、色即是空、空即是色と二つつながっているんです。
その一番易しい方法は何かというと、世界平和の祈りなんです。
なぜ世界平和の祈りがいいかというと、世界平和の祈りというのは、自分のことを思ってるんじゃない。
”世界が平和でありますように、みんなが平和でありますように、大調和しますように”という想いが、”世界人類が平和でありますように”という祈りでしょ。(つづく)
五井昌久著『空即是色―般若心経の世界』より