この世の中の苦しみ、
不幸というものは、
何が不幸なのか、
何が苦しみなのかというと、
肉体にまつわる想念が苦しむのであり、
想いが不幸なのです。生きているけれども、
想いが寝ている時には、
想いが消されているから
なんの苦しみもない、
貧乏もない、
病気もない、
なんの考えも感じない。しかし、想いがよみがえると、
(眠りから覚め、起きてみると)
病気があり、
貧乏があり、
苦しみがある。つまり、想いが不幸を感じ、
想いが病気をし、
想いが貧乏を感じるわけです。お釈迦さまが修行の結果、
悟りを開いたことは
どういうことかというと、
想いが苦しくなければ
苦しくはないのだ、
ということがわかったのです。人間の苦しみは何かというと、
想いが苦しんでいるのであって、
生命そのものは苦しんでいない。生命そのものは仏(神性)なのだ。
生命そのものの流れは、仏の姿なのだ。だから座禅観法をして
空になって、
その想いから解脱しさえすれば、
その人は光り輝く人であって、
貧乏でも苦しくない、
病気でも苦しくない、
ということを悟ったわけです。
五井先生のお話し『白光誌1966年9月号』より