(つづき)
よく、「私はあの人の為にしてやった」、「あの人にこんなに尽くしたやった」って言うけれども、そんなことありゃしない。
あの人もこの人もありゃしない。
自分の為に尽くしている。
尽くしたことは自分にいいんだ。
他の人があるわけじゃない。
自分だけがあるんですよ。
「あの人の為に尽くしてやった」、「あの人の為に祈ってやった」、なんて、生意気なこと言うなって言うの私は……。
あの人の為に尽くすも、あの人の為に祈るも、ありゃしない。
自分の為にやっている。
自分が祈りそのものになればいい。
いちいち人と比べてみたりなんかする人がありますけれど、比べる必要もなければ、何にもありゃしない。
自分が立派になることより以外には何にもないのです。
そうすると、この世もなければ、あの世もない。
あるものは神(※われ、自分)一人。
宇宙神の光が一つあるだけですよ、ということが私にはよくわかる。
(つづく)
五井先生のお話し 昭和37年4月